今日は、「はじめてであうすうがくの絵本」のお話です。
4才になったお姉ちゃんは、語彙が豊富で本好き、そして「ピタゴラスイッチ」が大好き
私は国語の先生です。語彙の獲得とか、国語の重要性とか、そういうことはよくわかっているつもりで、自分の子どもで壮大な実験、実証をしているようなものです。
で、基本的には、それを「遊び」にしないといけないし、自分が楽しくてやっているような形にしないと意味がない。
まあ、そんなことを考えてきたときに、絵本というのはとても重要なアイテムであるわけですね。
前回が絵本の効用の話でしたけど、
イメージを作って、たくさんの言葉を与えて、で楽しい。
いいことばっかりです。
そんなおかげもあって、うちの子どもたちは絵本が大好き。今のところ、必ず寝る前には絵本大会が繰り広げられるわけです。
それから好きなモノはテレビ。
今日現在の、彼女の好きな番組は、
- おさるのジョージ
- 0655
- ピタゴラスイッチ
- シャキーン
というところでしょうか。
もともとの形質もあるかもしれませんが、こんな番組を喜んでみています。これだってどっかで最初に見て、気に入るわけで、最初から気に入っているわけではないですよね?だから、どこかで私たちが先におもしろいと思って、見せたものの中からお気に入りができあがってくるわけです。
ここまで、語彙が豊富で、好奇心旺盛というのが彼女の特性です。弟はピタゴラスイッチのビーだまビーすけが大好きで、泣きわめいたらとりあえず、ビーだまビーすけの大冒険スペシャル完結編を見せておくと泣き止みます。
おもしろいもんです。
親が与えるもの、親の好みに応じて子どもは育っていく…
なんとなく、その子、その子の形質はありますが、必ず与えられたモノ、与えられた環境から彼らの好みは出て来ます。
弟は、電車が大好き。
これは散歩行ったときに、必ず「あ、電車だ!バイバ~イ!」ってやってたから、手を振るようになっただけの話。そうすると、親やじじばばからは、電車好きの称号が与えられます。
ここでぼくらが何を彼にあげるかで、彼の好みが決まっていくわけです。
ぼくらが与えたモノ
- 機関車トーマスのアニメ、トーマスランド、絵本
- プラレール
- 電車のおもちゃ
- 絵本「せんろがつづくよ」など
ぼくらが与えていないモノ
- 鉄道博物館
- チャギントン(たまに見せるだけでグッズがない)
彼が与えられたものは、絵本とかストーリーですね。そしておもちゃ。
ここでぼくらが、鉄道博物館とか鉄道の写真とかに行くと、本当の鉄道好きになりますが、ぼくらが、「SL一回乗せてあげたいね」とか、「ほら新幹線だよ」とか、「この電車、トーマスが描いてある!」とか言っているうちは、たぶん本当の鉄道好きにはなりきらないですね。だって、新幹線は全部新幹線で、今のうちでは、「ほら、緑の新幹線」とか「赤い電車」とかでしかないので。
だから、やっぱり与えたものとか、親の志向とか考え方とか、そういうものに影響されていくわけですね。
さて、お姉ちゃんが4才になってくると、いかに自分が国語的に子どもを育ててきたか思い知ります。やっぱり、数学的なものが少ないんですよね。まあ、パズルとかそういうのを数学というなら、そこそこはありますけど、数字とかそういうのは、せいぜい数えるぐらいで、そろそろ足し算とか引き算とか、あるいはお金とか、ざっとした量の把握とか、そういうのってやってないんですよ。
ポリシーが勉強にしないっていうことでは進めているので、「勉強」とか「宿題」とかにしたくないわけで、でも足し算とかになると、どうしても遊びとかゲームとかからは離れがちになって苦労するわけですね。
実際、弟のKUMONの様子を聞いていると、お姉ちゃんと同じぐらいで、どんどん算数が出来ている子の話なんかも聞くと、焦るわけではないけど、「うまくやればできるんだよなあ…」と思うわけです。
しかも、ピタゴラスイッチ喜んで見ているわけだから、素養がないわけでもないだろうし…。
「はじめてであうすうがくの絵本」におねえちゃんは夢中
というわけで、手にしたのは「はじめてであうすうがくの絵本」。
※大きい画像は絵本ナビの作品紹介へのリンクです。
結局は絵本でアプローチするわけですが、こういう名作さえもよく知らないというのが、国語中心で生きてきた特性ですね。というか、自分が子どものころにはなかった本だから知らなくて当然なんですけどね。
さて、この絵本ですが、絵がいっぱいのクイズのような感じで展開します。数字っていうと、「どっちが多い?」とか「合わせて何個?」とかそんな感じのものばっかり考えるんですけど、まずは、仲間はずれを探すところから始まります。
で、答えもないんですね。というか、あるんだろうけど、「話せ」って。
なんだか、アクティヴラーニングの走りみたい。
そのあとは、モノとモノをくっつけてみたり。
そのあとは表で、物事を説明していくようなものがあったり。
たとえば、列に帽子とかシャツとかズボンとかが描いてあって、行には色があるんですね。で、子ども達の服装を、表で指さしていくんです。
列に言葉、「まっくろけの」とか「だいきらいな」とか書いてあって、行にはにんじんとかぶたとかがある。
これだと、指をさして、ふたつのものがくっつくんですね。
今はだいたいこの辺につかまっていて、これができるのが楽しいみたいです。このあとはトランプで間違っているもの、たとえば数字が書いてあって足りないのとか多いのとか、色が違っていたりとか、そのあとは、さっきの表がマンションになって、ここでは数字を使っていたりとか…
最初にやったものが徐々に組み合わさって、少しずつ難しくなっていきます。よく出来てるなあと思います。
ここから先は、数えることが入ります。お姉ちゃんは、まだ右と左がよくわかっていないから、ここでちょっと難しくなってしまうようです。でも、それも練習だし。
二人で話しながら、説明しながらやらないといけないから、すごく楽しいけど、少しずつしか進んでいきません。
ポイントは、お話しながらやるってところ。一人で読む本ではないんで。
だから、このぐらいの年齢にはいいのかもしれないですね。
たぶん、ですけど、最近、話題になっている「プログラミング教育」って結局、この辺のことだ、と思います。なんだか、プログラミングっていうのが、車を順番に走らせたり、ロボットに命令出したり、道をならべたりすることのようになっていますけど、「逆算」思考という意味では、それでいいと思うんですけど、ひとつのものが出来るようになるだけでは、プログラミングではないですよね。
だから、こうやって、いくつかの論理性を手に入れながら、それを組み合わせていくっていうのは、すごく大切だなあと思います。
親が教えるものとかやっちゃうもの、やらせるものはできるようになる。親がよくわからないもの、やらないもの、やらせないものはできなくなる。
だから、このあたりから少しでも楽しく、遊びとしてやっていきたい、というか、自分自身が、もっと遊ばないとだめだよなあ、と思う今日このごろです。